人間万事塞翁が馬
青島幸男を知っていますか?
放送作家やタレントとして知られ、「スーダラ節」を作詞したり、実写版の「いじわるばあさん」を演じたり。で、国会議員もやって、最後は東京都知事にもなった人です。昭和を代表するマルチタレントのひとりですね。
この人の小説の題名が「人間万事塞翁が丙午(にんげんばんじさいおうがひのえうま)」。「人間万事塞翁が馬」をもじったものです。
で、その元になった「人間万事塞翁が馬」。字面を読んだだけだと何の意味か全くわかんないですよね。実は「人の幸せと不幸はころころ変わって固定しないよね」みたいな意味です。
語源は「淮南子(えなんじ)」という中国の昔の本に、こんな話があったことから。
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昔、塞翁の馬が隣の国に逃げて行ってしまった。塞翁は意気消沈。ところがしばらくすると名馬を連れて戻って来た。もちろん塞翁は大喜び。でも塞翁の子がその名馬に乗ってみたら落馬して足を折ってしまった。また意気消沈。ところがさらに、実は足を折ったおかげで隣国との戦争の兵役を免れて助かった…。
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悪いことと思ったら良い結果になったり、良い事があったのが原因で災厄に見舞われたり、みたいな事ですね。
いろいろあるから一喜一憂してもしょうがない、ともとれますし、失敗と思われたことが実は成功につながっているから大丈夫、ともとれますし。
で、私が気になったのはこのことわざの言いたいことより「塞翁」という人。どんな人なんだろうと思って調べたら
塞=ふさぐ、とりでや国境地帯
翁=おきな、年老いた男性
つまり「国境沿いに住んでいる老人」という意味で、個人名ではなかったんですね。
言ってみれば「県境のぽつんと一軒家に住んでるおじいちゃん」。う〜む、知らなかった。勉強になりました。
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